はじめに
本コラムでは、ハラスメントが生じた場合の慰謝料額について分析したいと思います。
まず、慰謝料とは、損害賠償額の内の精神的苦痛に対する賠償額を言います。
損害賠償請求事案の中には、慰謝料とは別に休業損害や逸失利益を請求する事案もありますが、次の分析はあくまで「慰謝料額」の金額になることをご留意ください。
(出展:慰謝料算定の実務/千葉県弁護士会 編)
〇 セクハラ事案
セクハラ行為に対する慰謝料が認められた平成24年6月から令和4年2月までの裁判例を抽出し、合計51件の事例分析を行った結果の慰謝料の分布は次のとおりになります。
なお、慰謝料額に影響を与える要素としては、①行為態様の悪質性(接触の有無、程度等)、②行為の継続性、③結果として被害者が休職・退職等に追い込まれているか、④被害者側の要因(態度)が考慮されているケースが多くなっています。
〇 パワハラ事案
次に、パワハラ行為に対する慰謝料が認められた平成24年3月から令和3年1月までの66件の慰謝料額を分析すると次のとおりになります。
慰謝料額に影響を与える要素として、①行為態様の悪質性、継続性、②被害者の精神疾患の発症の有無、③被害者の自殺の有無、④被害者側の素因や対応等の要素が挙げられます。
最後に
近年、各種ハラスメントに関する法律相談が増えています。
国も、企業に対し各種ハラスメントの防止対策を義務付ける等、その対策を強化しています。
ハラスメントは、当時者間の問題だけでなく、健全な企業経営を阻害し、企業の印象にも強く影響する要素となっています。
ハラスメント問題でお困りの企業・経営者様がいらっしゃいましたら、是非ご相談ください。
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