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心理的負荷による精神障害の認定基準の改正について

2024/02/16

心理的負荷による精神障害の労災認定基準を改正

過重労働等から精神障害が生じた場合(例えば、働き過ぎで「うつ病」になったような事例)について、労災に当たるか否かについては、「心理的負荷による精神障害の認定基準」が考慮されます。

(取扱業務「労働災害(労災)対応」の記事は、コチラ)

令和5年9月1日、この「心理的負荷による精神障害の認定基準」が改正されました。

改正点は、①業務による心理的負荷評価表の見直し、②精神障害の悪化の業務起因性が認められる範囲を見直し、③医学意見の収集方法を効率化の3点です。
 

注目すべき改正(ハラスメント関連)

上記の改正の中でも、注目すべき改正は①です。

1 パワーハラスメント関連

まず、心理的負荷を生じさせる出来事の類型に、新たにパワーハラスメント(パワハラ)が設けられ、6類型が具体例として明記されました。
パワーハラスメントの6類型とは、①精神的な攻撃、②身体的な攻撃、③過大な要求、④過小な要求、⑤人間関係からの切り離し、⑥個の侵害のことです(これらの詳細は、本記事では省かせていただきます。)。

もちろん、改正前でもパワーハラスメントは他の類型(対人関係)に含めて判断されており、新しく認定されるようになったわけではありませんが、具体例が明記されたことにより、改正前よりも労災認定が容易になったと考えられます。

2 カスタマーハラスメント関連

また、心理的負荷を生じさせる出来事「対人関係」の具体的出来事として、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」が追加されました。

これはいわゆるカスタマーハラスメント(カスハラ)を意味しており、これも明確化されたことで、改正前よりも労災認定が容易になったと考えられます。
 

改正に関する弁護士コメント

近年、ハラスメントに対する認識は著しく変化しています。

昔は熱血指導と呼ばれていたものがパワーハラスメントと扱われ、「お客様は神様」として耐えてきたものがカスタマーハラスメントと扱われています。

従業員がハラスメントによって心身に不調をきたした場合、職場の能率が低下するだけではありません。

労災認定がされれば、企業が安全配慮義務違反を問われ、損害賠償の責任を負う可能性があります。

企業としては、これまで以上に、ハラスメントの正しい知識を得て、適切な対策をしていく必要があると思われます。

当事務所では、常に新しい情報に触れて、ハラスメントについての感覚を養っております。

ハラスメントに関するご相談、セミナーの依頼など、お待ちしております。

(取扱業務「ハラスメントの問題」の記事は、コチラ)

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