トピックス

熱中症対策の義務化について

2025/05/28

はじめに

労働安全衛生規則が改正され、熱中症の防止措置が義務付けられます。

近年、「暑い日が増えた」と感じる方は多いのではないでしょうか。
気温が上がると注意しなくてはならないのが熱中症で、平成30年には熱中症の死傷者数が1178人になるなど、決して軽視できないものになっています。

従業員が熱中症にならないため、なったとしても重篤にならないようにするため、労働安全衛生規則が改正され(612条の2を新設)、令和7年6月1日から施行されます。

今回は、改正のポイントをご紹介します。
 

労働安全衛生規則の改正ポイント

対象になっているのは、全ての業務ではなく、「熱中症を生ずるおそれのある作業」で、これは、WBGT(湿球黒球温度)28度又は気温31度以上の作業場において行われる作業で、継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれるものになります。

まず、①熱中症の自覚症状がある作業者 ②熱中症のおそれがある作業者を見つけた者がその旨を報告するための体制(連絡先や担当者)を職場ごとに定めておき、関係作業者に対して周知することが義務付けられています。

熱中症が重篤化する原因として、初期症状の放置や対応の遅れが指摘されています。

自覚症状がある従業員や、熱中症になりそうでも自覚症状がない従業員が自ら報告することは期待しにくいので、おそれがある作業者を見つけた他の従業員からの連絡も盛り込まれています。

自覚症状は、めまい、頭痛、吐き気などが例として挙げられます。

他覚症状は、ふらつき、多汗、会話がかみ合わない、返事がないなどが例として挙げられます。

また、熱中症の症状悪化を防止するために必要な措置に関する内容や実施手順を職場ごとに決めておき、関係作業者に対して周知することが義務付けられています。

周知の例としては、①作業からの離脱、②身体の冷却、③必要に応じて医師の診察又は処置を受けさせること、④職場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先及び所在地等、が挙げられています。
 

終わりに

仕事中に熱中症になった従業員がいて、体調が悪化した場合、企業としては健康配慮義務(安全配慮義務)を問われかねない状況になります。

「従業員自身の健康管理の問題だ」というご意見も聞こえてきますが、今回の改正で、企業側の義務に熱中症対策が含まれることが明確になったと思われます(規則の改正ではありますが。)。

仕事の現場としては、誰かが熱中症で倒れて救急車を呼ぶ事態になれば他の従業員に動揺を与えますし、体調を崩した従業員が出ればその穴埋めをしなくてはならない等、影響が小さいとは言えません。

従業員の健康に配慮し、職場の業務効率を維持するためにも、「熱中症を生ずるおそれのある作業」が業務に含まれる企業は、ご紹介した体制の整備、措置の決定等を行い、周知してはいかがでしょうか。

◇ 横浜で会社・企業側の労働問題に強い弁護士をお探しなら、当事務所へご相談ください!
  ご予約はTEL(045-594-8807)又はメール予約をご利用ください。

Contact


お問い合わせ

【初回】30分無料相談受付中

電話・オンラインでのご相談も承っております。(要予約)
まずはお気軽にお問い合わせください。

045-594-8807